ボルダリング・テクニック




ボルダリングをするにあたって、必要となるテクニックは、手、足、動きです。
要するにつかみ方と、足の置き方と、次の動作への流れ(ムーブ)です。
これらは、やっている内に自然と身につくものでもありますが
前もって意識しながら行うと、より上達が早くなりますので
是非参考にしてください。

(1)ホールドのつかみ方
(2)足のテクニック
(3)ムーブの種類




(1)ホールドのつかみ方


ホールドのつかみ方は、基本的に個人の自由ですが、それぞれのホールドにより適した持ち方が存在します。持ち方を変えるだけで、クリアーできなかったルートを制覇することができたりしますので、知っておいて損はなし!


カチ(クリンプ)


狭いホールドに4指を立てて、親指を上に添えるように持つ方法。

パーミング


指のかけることのできない、丸いのっぺりとしたホールドを、手のひら全体の摩擦を得るように押さえつけて保持する方法。

ラップ


ノブホールド(ドアノブのような出っ張り部分のあるホールド)を手で包むように持つ方法。

ポケット


穴状のホールドに指をかけ、ひっかけるように持つ方法。多く指をひっかけた方が、力も多くかけられる。

ジャミング


岩の割れ目のような部分に、手を差し込み、ねじったり広げたりして保持する方法。人工壁では、稀なケース。

ガバ


丸くて大きめのホールドで且つ、つかみ易いホールド(主にジャグ・ホールド)をガバっと覆うようにひっかけて持つ方法。

ピンチグリップ


親指と4本の指ではさむように持つ方法。

アンダークリング


下向きのホールドを持つ方法。手のひらを自分の方向に向け、親指はホールドの外に。足をあげ、体が上がるにつれて安定していく。

サイドプル


横向きのホールドを、ブラ下がらずに横に引くようにして保持する方法。

ガストン


斜め内側を向いているホールドを、肩を入れて斜めから押し上げるように保持する方法。

オープンハンド(タンデュ)


指を伸ばし気味にし、指先でかけるように持つ方法。親指をホールドの側面に当てることができる場合は、より安定する(これをセミアーケとも言う)。



(2)足のテクニック



足のテクニックは、予想以上に重要です。足場が固まらず、フラフラした状態では、無駄に腕に負担がかかります。そうなると腕のパンプ(充血)を早め、ルートをクリアーできなかったり、ボルダリングを長く楽しめなかったりします。とにかく、腕に頼りきらないクライミングをするためにも、足のテクニックは重要です。



エッジング


親指の側面を立てるようにしてのせる方法。もっとも多様される足場の使い方で、親指の側面が壁側にくるインサイドエッジ(インサイドステップ)や、小指が壁側に来るアウトサイドエッジ(アウトサイドステップ)、つま先が壁と向かい合うように立ててのせるフロントエッジ(フロントステップ)などがある。

スメアリング


丸くのっぺりとした足場に、シューズの裏面をこすりつけるようにして置く方法。接地面積が多いほうが摩擦が生まれ、安定感が増す。

ヒールフック


腰から上にあるホールドにかかとをひっかけて、足の力も加えて体を上に引き上げるテクニック。

トゥフック


傾斜のキツいウォールで、体が振られるのを防ぐために、つま先をホールドに引っ掛ける方法。

ピンチフック


トゥフックの両足バージョン。同じホールドにつま先を掛けた方が、強くはさむことができる。

ポケット


穴状のホールドに、つま先を突っ込んで置く方法。ねじ込んで、ひねればより有効。


     

(3)ムーブの種類




ムーブとは、次のホールドを取りにいく動きのことです。ボルダリングのうまい人の動きは、スムーズでバランスがよく変な力が入ってないものです。なんといってもカッコイイです。このムーブたるものは、ダイナミックで派手なものもありますが、基本的には理にかなったものであり、そうした方がスムーズにルートを攻略できたり、腕の負担を減られたりします。



ダイアゴナル


左手をなるべく伸ばした状態で保持し、右手でその反対方向のホールドを取りにいく。右足で立ち、左足は取りに行く方と反対側に出す。左の手足と右の手足が対角(ダイアゴナル)に出すことでバランスを取るムーブ(左右逆も同じ)。足の力で伸び上がれば、右手で遠くのホールドまでとどくため、多くのボルダーが多様する動き。

フラッギング


左手、左足で体を保持し、右足でバランスを取りながら右手でホールドを取りにいくムーブ(左右逆も同じ)。保持していない足(右足)で、左右に振ったり、ホールドを蹴ったりしてバランスを、その都度保つのがポイント。

ドロップニー(キョン)


左右どちらか一方の膝を、内側から下に向けて曲げて、足場を固定する方法。決まれば安定感抜群で、腕にかかるの力を軽減できる。ただし、やりすぎると膝を痛めてしまうため注意。

レイバック


縦に長いホールドや、カンテに対して使用するムーブ。手で自分側に引っ張り、足で反対に突っ張る。ヒジは伸ばした方が安定する。

ハイステップ


高い位置まで足をあげて保持し、重心を移動させながら立ち上がる動き。遠くにあるホールドを取りに行く時に使用。

クロス


体の前で腕が交差するように取りにいく動き。横や斜め上に進む場合で、適当なホールドがない場合や、次の出し手を考えると持ち替えが必要なところを、を持ち替えなしで次のホールドを取りに行く対処方法をして用いられる゙。

マントル


壁の頂上(インドアでは、ない場合も多い)にはい上がる動き。手のひらで頂上をパーミングしながら、足で上っていき、上半身が壁の上にきたくらいで、ハイステップの要領で立ち上がる。

ランジ(ダイノ)


ジャンプしてホールドをつかむ動き。次のホールドがとどかない場所にある時に使用する、もっともダイナミックなムーブ。ジャンプ距離を伸ばすために、飛びつく前に一度腰を下ろし、反動をつける。

デッドポイント


両手で壁側に体を引きつけておいて、体が壁から離れていく前に、次のホールド取りに行くムーブ。ホールドが小さすぎたりして両手を離せない場合、一瞬引きつけて無重力状態にすることで、その一瞬手を動かすことが可能になる。

ニーロック


足と膝をホールドで上下に挟むようにしてロックする技。ガッチリと挟まれば、両手を離すことも可能になるため、腕休めのために使用する場合が多い。

ステミング


凹面状のウォールに対して、左右の足でつっぱるようにして保持する方法。