完成したクライミングウォールのメンテナンスとして、もっとも必要になってくるのが
「クライミングホールドの締め直し」です。
スクリュウタイプであろうが、ボルトタイプであろうが、クライミングをすればするほど
ホールドの設置はゆるんできます。
ゆるんだホールドでクライミングを行うのは、当然危険で、事故やケガにつながる恐れがあります。

ゆるんだホールドを発見すれば、すぐに締めなおす。
これがすぐにしやすい壁が、つまりメンテナンスのしやすい壁というわけです。






ホールドの取り付け方は、大きくわけて2つのタイプがあります。
ネジで設置するスクリュウ・オンと、ボルトとナットで設置するボルト・オン。
それぞれには、それぞれの長所と短所があり、どっちが優れているとは言いがたいですが
メンテナンスという観点から言うと、やはりボルト系のホールドの方が断然いいです。
クライミング・ジムなどでも、主流はボルト系です。


ボルト&スクリュウの比較
https://www.hold-ya2.com/?mode=f8
https://www.hold-ya2.com/?mode=f16


クライミングウォールの骨組みを作成する際、
注意するべき点は2つあります。
ひとつは、壁の裏に空白を作っておくことです。
もうひとつは、壁の強度を十分なものにしておく

壁の裏に空白を作っておかないと、ホールド設置のときに
少し壁を突き抜けるボルトの行き場がなくなってしまいます。
突き抜けるボルトの受けとしての空白です。





これは下のサンプル画像1のように枠に木材を配置すれば
中央部分は空白ができます。
空白部分は、2、3cmほどあれば十分です。

この枠ができたところに、登る面となる
サンプル画像4のように爪付きナットを設置した
コンパネを貼付けるという流れになります。


次に壁の強度ですが、これは間柱や梁などを
通常よりも多めに設置していただければ大丈夫です。
下記のサンプル画像1では、真ん中に1本入れているだけですが
多ければ多いほど安全です。
垂直の壁であれば、そこまでナーバスになる必要はありませんが
もし、角度のある壁(100度、110度)を作成予定なのであれば
壁には相当な負担がかかり、壁がしなる原因となりますので
サンプル画像2のように、縦に30〜45cm間隔くらいで
配置するくのがいいと思います。



サンプル画像1



サンプル画像2





今後のメンテナンスを考えると、この行程がもっとも重要です。
クライミング壁となるコンパネに20〜30cm間隔で、穴をあけていきます。
クライミングホールドを設置するためのボルトは、基本的に10Mというサイズで
統一されていますので、10Mのボルトを通すため、通常10Mのドリルの刃を使用するのですが
このボルトの受けになる爪付きナットが10Mドリルであけた穴にあわないため
12Mのドリルの刃を使って穴をあけます
( ホールド屋で販売しているホールドは、すべて12Mの刃であけた穴に対応できるホールドですが、他のメーカーのアイテムの場合、規格が異なることがありますのでご注意ください。)

この穴の数が、今後、壁が完成したときに、ボルト系のホールドを取り付けることのできる数になります。

また、あいている穴の部分に、ホールドを追加することもできれば
すでに取り付けてあるホールドの配置変えなどにも使用できるため
なるべく多めにあけておいて損はありません。
現在は60個ほどしか取り付ける予定がなくても、
将来増える可能性を考えて150ほどの穴をあけておく、
といった感じです。
サンプル画像4のように、爪付きナットの横の列を
上下ずらして設置すると、ホールド設置の際
それぞれが邪魔にならずに便利です。


サンプル画像3



サンプル画像4





先ほどあけたコンパネの穴の裏側に爪付ナットを打ち込んでいきます。
ナットには馴染みがあっても、この爪付ナットは知らない方も多いかと思います。
この爪付ナットは、クライミングウォール作成においては非常に有効なもので
メンテナンスのしやすい壁を作成する上で最重要アイテムです。
表の面からホールド&コンパネをボルトと、この爪付ナットで挟み込んで固定するわけです。
ちなみに、穴の裏すべてに爪付ナットは打ち込みましょう。
「今回は、使用する穴の分だけ打ち込もう」という具合に
ここで手抜きをすると、完成後に大変な目にあいます。
完成してしまった壁の裏側に爪付きなっとを、後から打ち込むことを
想像してください。これは、かなり厄介です
構造によっては一度壁を取り外さないと不可能です。
打ち込む際、コンパネと爪付きナットの間に、接着剤をはさんでおくことをオススメします。
まれにボルトでホールドを固定するときに、爪付きナットを押し出してしまい
とれてしまうことがあります。
こうなってしまうと、お手上げですので、この事態を防ぐため
より確実に固定しておけば安心です。





(1)〜(3)のコンパネの下準備を行って作成した壁であれば
ホールドの締め直し、張替え、追加が、表の面で楽々行うことができます。
自分の好きな部分(穴)にクライミングホールドを配置し
ボルトを通し、六角レンチで締め上げれば、裏の爪付ナットで
ガッチリ固定されます。ホールドの取り付けは、たったのこれだけです。
配置変えをしたければ、ボルトをゆるめ、違う穴の部分にホールドを移動させ
また六角レンチで締め上げればいいだけです。
自分のレベルアップに応じて、壁に難しいホールドを追加していけば
いくらでも楽しめる壁に変化させていくことができます。




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ホールド屋では、2000以上のホールドの形状が販売させれいます。
ホールドの形状は、クライミングやムーブを決定付けるものです
もし、現状のクライミングウォールにマンネリしてきたら
ホールドの形状をがらりと変えてみてください。
今までとは、まったく違った壁になり、違ったおもしろさが出てきます。


クライミングウォール完成後、少しづつ付け足したり
少しだけ、ホールドを配置を変えたりすると、長く遊べる壁になります。

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今、説明してきた板に爪付きナットが埋め込まれている状態のものが
ホールド屋では「クライミングウォール用パネル」として販売されているます。
この「クライミングウォール用パネル」を間柱などで補強された壁に
貼り付けていただくだけで、クライミングホールドが
付け外しが可能なウォールになります。
新築やリフォームの自宅の壁に、クライミングウォールを作成されたい方は
是非、「クライミングウォール用パネル」を、ご検討ください。


クライミングウォール用パネルの販売